変更内容
今回の更新で公開した内容
- 倍音の複雑さ、ステレオ幅、3D空間のスコア計算を再構築。従来の数式には数学的な上限がありました。
- スコアの中央値が約13ポイント上昇。市販のマスター音源と実際のユーザーのミックスで検証しました。
- すべての分析にスコア計算のバージョンを記録。過去の分析は当時のしきい値で表示します。
- パーセンタイルの表示で、分析済みの全トラックの中での位置がわかります。
- スコアの色と判定を、本番環境の実際のスコア分布に合わせて再調整しました。
- ダッシュボードの推移と楽曲タイムラインは、異なるスコア計算バージョンの結果を比較しません。
目を背けたくなる数字
三年間、Mix Analyzerは80点を「優秀」と説明してきました。その約束の裏にあった数字をお伝えします。過去六か月の14,371件の分析で、最高スコアは77.5でした。中央値は61.9。市販のマスター音源も含め、80に届いた音源はありませんでした。
原因はあなたのミックスではありません。私たちの数式でした。
何が壊れていたのか
スコア計算エンジンを項目ごとに監査し、実際のどんな音声でも高得点を出せない項目が三つ見つかりました。
- 倍音の複雑さ (スコアの13%)には、実際の音楽で最大値が100点中40点程度にしかならない数式を使っていました。フェーダーに触れる前から、プラットフォーム上のすべてのミックスがここで8–11ポイントを失っていました。
- 3D空間分析 では、高さと奥行きを、一般的なステレオミックスが100点中7から11にしかならない尺度で評価していました。
- ステレオ幅 では、mid/side比がある一点に完全に一致した場合にしか満点を与えていませんでした。マスタリング済みのトラックがその狭い条件に一致することはありません。
これらを合わせると、理論上の上限は、データが示した77.5とほぼ同じになりました。
あなたに関わる変更点
スコアに位置づけを示す情報が加わりました。 スコアの下に、プラットフォームで分析済みの全トラックの中での位置を表示します。「分析済みの全トラックの上位5%」は、絶対的な数値より多くを伝えます。旧システムの71.9は、それまでに分析した音源の95%より高い評価でした。それでも画面は、その制作者に80を目指し続けるよう伝えていたのです。これを改めます。
色とラベルを実態に合わせました。 以前は80から緑色になるため、緑を見た人はいませんでした。色の尺度、判定ラベル、ダッシュボードのメッセージを、実際のスコア分布に合わせて調整しました。
スコア計算v2は、壊れていた項目を修正します。 倍音の複雑さには適切なエントロピー指標を使い、ステレオ幅は一点ではなく適切な範囲を評価します。3D空間スコアには、実際のステレオ音源から導いた対応表を使います。新しいエンジンを市販のマスター音源と実際のユーザーのミックスで検証したところ、スコアの中央値は約13ポイント上昇しました。先週62だったミックスは、今なら75程度になります。同じミックスを、より公平な物差しで評価します。
過去の分析の意味は変わりません
すべての分析にスコア計算バージョンを記録します。履歴は評価時のしきい値で表示し、ダッシュボードの推移では旧数式のスコアと新数式のスコアを比較しません。そのため、変更が見かけの改善として表示されることはありません。新しい楽曲タイムラインも同様で、進歩を示す差分は必ず同じ評価尺度の中で計算します。
お気に入りのトラックをv2で評価し直したい場合は、再分析してください。
この事実をお伝えする理由
評価ツールは、信頼できて初めて役に立ちます。全員の数値を黙って引き上げ、アップグレードと呼ぶこともできました。私たちは監査結果をお伝えします。どこが壊れていて、どれほどスコアを失わせ、新しい尺度にどう根拠を持たせたのかを説明します。v2のしきい値は、二週間分の本番データで確認できるまで、コード内でも暫定値としています。基準を再設定する際も、同じように公開して行います。
スコア履歴についてのご質問は、hello@mixanalytic.comまでお寄せください。